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Channel: 股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方
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骨にトゲ

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🍓骨にトゲ(棘)のような骨ができることがあります。


この棘のような骨は骨棘(こつきょく)と呼ばれています。



このトゲのような骨はトゲではないのに、「このトゲが筋肉に当たって痛いのです。」のような説明する先生がいるので困ったものです。
皆さんは、このトゲのような骨の事を理解して、惑わされないようにしてください。
骨の事を考える時は、3次元の立体で考えないといけませんが、レントゲン写真は2次元の平面の写真になります。
平面ではトゲの様に見える骨棘は実はトゲではなく、このトゲのような骨が前にも後にも存在するのです。
この形は、野球帽に似ています。この帽子の頭が入る部分が股関節になります。
この帽子を真横から見たとすると、帽子のつばはトゲの様に見えます。ところが、帽子のつばは全体的にあって股関節で考えると立派な屋根になるわけです。
臼蓋形成不全症という股関節の病気があり、日本人の女性に多いと言われています。生まれた時から股関節の屋根にあたる寛骨臼(かんこつきゅう)の発育が不十分なため、股関節の屋根が浅い病気です。
股関節の屋根が浅いと、股関節の2つの骨の接地面性が狭くなり、その力学的な不十分さを筋肉の力で補わなくてはなりません。
臼蓋形成不全症がおおもとになって変形性股関節症になると、骨は力学的な安定を求めて股関節に屋根を作るのです。
この屋根を骨棘と呼びますが、この屋根ができることによって股関節の2つの骨の接地面積を広げて股関節を力学的に安定させようとするのです。
その結果、股関節はより正常の形に近づくため、変形は治まり、股関節痛も軽減してくるのです。

そのことを理解している整形外科の先生は「新しい屋根ができたね。もう手術は必要ありません。」と言います。実際、私はそのように説明した先生の診察場面に立ち会ったことがあります。
しかし、骨棘をトゲとしか考えられない先生も多く、そのような先生が「このトゲが筋肉に当たって痛みが出ているのです。」なんて見当違いな説明をするのです。
東京医科大学整形外科の伊藤康二先生は、骨棘の成因は様々ですが、『関節は荷重、関節運動などの力学的要因を受けてこれらの機序より構築学的に安定した方向へ成長、変形していく修復機転が働いているものと思われる。』と述べています。(東医大誌 49(5) 1991)
骨の中にできる穴もそうでしたが、このトゲのような骨も、骨の修復であり、変形性股関節症から皆さんを守るための防衛反応としてできるのです。
また、伊藤康二先生は同じ論文で骨にできる穴(骨嚢胞)についても触れており、骨嚢胞は全てが骨梁の骨折が原因とは言えなが『骨嚢胞の形成については硬組織学的検索から骨梁骨折が原因と考えられる。』とも述べています。

骨の穴も、骨のトゲも実に素晴らしい骨の持つ自然治癒力によって私達を守ってくれているのですね。
様々な医学的文献を読むと、そのことが当然のごとく書かれていることには驚かされます。


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変形性股関節症を怖がらないでね






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